米10-12月期GDPは年率▲3.8%と26年ぶりの大幅減少

2009年02月02日

(土肥原 晋)

■見出し

・主要内需項目が総崩れの中、在庫変動がGDPのマイナス幅を縮小:10-12月期GDPの概要
・需要項目別の動向~特徴的な個人消費・設備投資のマイナス幅の大きさ

■introduction

米商務省が1月30日に発表した10-12月期実質GDP(速報値)は、▲3.8%(前期比年率:以下も同じ)と、市場予想(同▲5.4%)のマイナス幅を下回ったものの、1982年1-3月期(同▲6.4%)以来約26年ぶりの大幅なマイナスとなる(図表-1)。また、前7-9月期(同▲0.5%)に続く2四半期連続のマイナスは、1991年1-3月期以来となる。
今回のGDPを押し下げた要因は、個人消費が同▲3.5%と前期に続き大幅なマイナスに落ち込んだことに加え、設備投資が同▲19.1%、住宅投資が同▲23.6%となるなど、主要な需要項目が揃って大幅な減少となったことによる。一方、在庫投資変動は、5四半期ぶりにプラスに転じ、寄与度が同1.32%と今回GDPの下落幅を大きく緩和、需要の急減少に在庫減の動きが遅れたことを示した。なお、GDPから在庫・純輸出を除いた国内最終販売(Final sales to domestic purchasers)は、同▲4.9%となり、1980年4-6月期(同▲11.1%)以来、28年ぶりの大幅なマイナスとなった。
また、2008年の年間実質成長率は1.3%となり、2001年の0.8%以来の低水準を記録した。

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