篠原 哲()
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研究・専門分野
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■見出し
・08年骨太でも歳出抑制路線の継続を明示
・予算に向けた注目点は社会保障給付と公共投資の抑制手段
■introduction
6月17日の経済財政諮問会議では、月末に閣議決定される「基本方針2008」(骨太の方針)の素案が議論された。毎年、注目点となる財政再建の方針について、素案では、11年度の国と地方のプライマリーバランスの黒字化に向けて、「歳出・歳入一体改革」の枠組みに沿って、歳出全般にわたって最大限の歳出削減を行う方針を示した。
昨年の参議院選挙以降、政府内外で歳出拡大圧力が強まるなか、今後も、福田政権が歳出抑制路線を継続するかは、骨太の注目点のひとつとなっていた。後期高齢者医療の問題に代表されるように、社会保障給付などの歳出抑制目標の撤廃を求める声も強まっているが、一方では、ここで歳出拡大路線に転じれば、2011年度のプライマリーバランスの黒字化という目標の達成が困難となるだけでなく、日本の改革路線が失敗したと海外から判断されてしまう可能性もある。このような難しい舵取りを迫られるなか、福田政権が、従来までの歳出抑制路線を継続する方針を示したことは、財政再建という観点からは評価できるだろう。
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