1月米雇用者数は、4年半ぶりの減少

2008年02月04日

(土肥原 晋)

■見出し
・1月雇用者は、1.7万人減と4年半ぶりの減少に
・賃金上昇率は伸びが鈍化するも、失業率は低下
・3. 雇用堅調による景気下支え構図に変化

■introduction

米労働省が2月1日に発表した1月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者が前月比▲1.7万人と、市場予想の7~8万人増を大きく下回り、2003年8月(同▲4.2万人)以来約4年半ぶりの低水準となった。製造業では前月比▲2.8万人と19ヵ月連続で減少を見せ、建設業でも同▲2.7万人と7ヵ月連続で減少が続く中、サービス部門が同3.4万人(12月14.3万人)と前月から大きく増加数を減少させたことが大きい(図表1)。なお、サービス部門に含まれる政府部門は▲1.8万人と半年ぶりの減少となり、民間雇用者(全体)は0.1万人増だった。
また、増加幅の縮小したサービス業について業種別の内訳を前月比で見ると、ヘルスケアで2.71万人、飲食店1.48万人、等の増加が大きく、一方、人材派遣(Employment services)を含む管理・派遣等▲2.15万人、州・地方政府の教育関係▲3.00万人等の減少が大きかった(末尾図表3参照)。
なお、既発表分(事業所統計)については、通常の改定 (2007年11・12月分) に加え、産業分類による改定、季節調整手法やベンチマークの変更による改定(2007年3月分を計▲29.3万人引き下げ)、等を行ったため、前年比の比較では、雇用増加数が減少している。また、11月分が11.5万人増から6.0万人増へ、12月分が1.8万人増から8.2万人増へと直近2カ月分では差引き0.9万人の増加修正が行なわれた。これにより、昨年下半期の月平均雇用増は8.2万人となり、上半期の月平均10.7万人増から緩やかな鈍化が窺われる。2007年の月平均では9.5万人となるが、2006年の月平均17.5万人、2005年の同21.1万人との比較では、減速が目立つ状況と言えよう。

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)