平成20年度予算財務省原案~不透明感を増す財政再建への道筋

2007年12月21日

(篠原 哲)

■見出し

・08年度当初予算は83.1兆円、新規国債発行は25.3兆円に抑制
・不透明感を増す財政再建への道筋

■introduction

財務省は、12月20日に2008年度予算の財務省原案を各省庁に内示した。一般会計の総額は83.1兆円であり、2007年度当初予算の82.9兆円とほぼ同水準となった。注目が集まる新規国債発行額は25.3兆円となり、07年度当初予算の25.4兆円から若干ながらも圧縮された。一方、財政再建に向けた指標となる基礎的財政収支(プライマリーバランス)は▲5.2兆円(07年度:▲4.4兆円)となり、当初予算ベースでは5年ぶりに悪化した。2008年度予算は、財務省原案に対する各省庁からの復活折衝を経て、24日に政府案が閣議決定される。
税収が伸び悩むにも関わらず、08年度予算では、歳出総額や新規国債発行額の抑制が実現した。しかし、それは国債の利払いに対する想定金利を下方修正したことなどによる国債費の減少という要因が大きく、政策的経費である一般歳出や、地方交付税は07年度当初予算から増加している。財政再建路線の継続と、格差縮小に対する要求の両方に配慮した苦渋の予算という印象だ。

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