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大綱から見る地域間の税収格差是正の方向性-与党税制改正大綱のポイント-
2007年12月19日
(篠原 哲)
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与党は、12月13日に与党税制改正大綱を公表した。今回の大綱で、最も注目すべきポイントは、将来的な消費税の社会保障目的税化が明記されたことであろう。少子高齢化が進展し、社会保障給付の財源不足が問題となるなか、消費税の役割をどのように位置づけていくのかという点について、今後、議論が進展していくことが期待される。
2008年度税制改正では、消費税は将来的な改正の方向性が示されるにとどまったため、「証券優遇税制」の存続、道路特定財源の暫定税率の問題、そして地方法人二税の分配方法、などが注目すべき論点になる。本稿では、証券優遇税制と、道路特定財源の暫定税率の存続の問題に加え、地域間の税収格差是正の問題に焦点を当てて、2008年度税制改正に向けたポイントを整理する。
証券税制の優遇措置に関しては、本年度末(譲渡益は08年末、配当は09年3月末)で期限切れになるが、大綱は、優遇措置を現行よりも縮小したうえで2010年末まで延長する方針を示した。
道路特定財源の問題で、特に論点となっているのは、揮発油税などについて本則のおよそ2倍に設定している暫定税率が、2009年3月末で期限切れとなる点であるが、今回の大綱では、今後10年間は現行の暫定税率を維持するという方向性を示した。
地域間の税収格差が問題視されるなか、大綱では、地方法人二税(法人事業税、法人住民税)のうち、都道府県税である法人事業税の約半分に当たる2.6兆円を、新設される国税の「地方法人特別税」として分離し、それを2009年度から「地方法人特別譲与税」として人口と従業者数で自治体に配分することで、法人二税の偏在度を是正する方針を示した。将来的には、地方消費税の比率を高めることによって、地域間の税収格差の是正を図るという方向性も盛り込んでいる。
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