高齢者世帯における消費・貯蓄の構造変化

2007年08月24日

(石川 達哉)

高齢者世帯が受給する公的年金の平均額が90年代末から低下する一方、きわめて少額しか受給できないケースも減ったために、あえて働くことはしない無職者が増え、就労所得も減少している。
消費の方はあまり減少しなかったため、かつては60歳未満の世帯の水準に遜色なかった高齢勤労者世帯の貯蓄率が大幅に低下し、高齢無職世帯の貯蓄率もマイナス幅が拡大している。
他方、負の貯蓄分を基本的に預貯金の取り崩しで賄うことについては変わっておらず、米国の高齢者世帯で見られる実物資産の取り崩しや、住宅を担保にした借入れはほとんど行われていない。

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