米国、6月FOMCでは金利据え置き、インフレ警戒姿勢は持続へ

2007年06月29日

(土肥原 晋)

■見出し

・6月FOMCでは、金利は8回連続据え置き
・FOMC声明文のポイント
・当面の政策金利据え置きの見方を強化

■introduction

6月27・28日に開催されたFOMC(米連銀:連邦公開市場委員会)では、現在5.25%のFF目標金利の据え置きを全会一致で決定した。同金利は昨年6月に引上げられたのを最後に、ほぼ1年間に渡って同水準が続き、今回で8回連続据え置かれたこととなる。
事前の市場予想でも、金利据え置きの見方が大勢であったが、最近の景気の底堅さや足元の物価指標が緩やかに鈍化を見せる中、FOMCが景気とインフレにどのようなコメントをするかが注目されていた。
FOMC開催後に発表された声明文では、景気の現状認識については、前回よりもやや上方修正、インフレについては足元における改善を認めつつも、インフレ圧力緩和の確証が得られないとし、政策スタンスについては、インフレ警戒姿勢の持続を再確認するものとなった。この結果、年内の金利据え置きの見方は一段と補強された形である。
6/13発表のFOMCの資料とされるベージュブック(地区連銀経済報告)では、景気の緩やかな回復の指摘の一方、全般的な物価圧力の上昇は指摘しておらず、今回のFOMCでもほぼベージュブックの見方を踏襲したものとなった。
なお、FOMCの結果発表後、米債券市場では、FRBがインフレ警戒姿勢を続けるとして下落(金利は上昇)、外為市場ではドルが円に対して上昇した。

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