注目される「補正後予算の達成」と「ふるさと納税」

2007年06月08日

(篠原 哲)

  1. 2006年度補正後予算では税収が50.5兆円となっているのに対し、4月末時点の累計税収は40.6兆円となり、進捗割合は80.4%となった。
  2. 2006年度の一般会計税収については、ほぼ補正後の水準である50兆円前後になる可能性が高い。仮に補正後予算の水準が達成されれば、2005年度決算における49.1兆円からは、1兆円を上回る税収増となる。2006年度には新たに1.9兆円規模の地方への税源移譲があったことをも踏まえると、税収の拡大基調は続いていると考えられる。
  3. 地域間の財政力格差が問題視されるなか、その是正の手段として、にわかにクローズアップされてきたものが、いわゆる「ふるさと納税」である。
  4. 現時点では総務省は、「ふるさと納税」の規模を、約1兆2000億円規模と想定しているが、これは約34.8兆円の地方税収に対して約4%の規模でしかなく、地域間の財政力の格差是正に対する効果は限定的である感も否めない。今年末の税制改革で、「ふるさと納税」の導入が決定しても、それによる、地域間の財政力格差の是正の効果については、慎重な見方をしておく必要があるだろう。
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