5月の米雇用者数は、15.7万人増と前月から急増

2007年06月05日

(土肥原 晋)

■見出し

・5月雇用者増が予想を上回る増加
・賃金上昇率も伸びを高める
・景気の底堅さを確認、利下げ観測遠のき債券金利が上昇

■introduction

米国労働省が6月1日に発表した5月雇用統計では、非農業事業部門の雇用者増が前月比+15.7万人と市場予想の+13.5万人を上回った (図表1)。4月雇用増が+8.0万人(今回+8.8万人から下方修正)と落ち込んでいたことから、市場では、景気の底堅さを示すものと受け止められている。
なお、3・4月の増加幅について合計▲1.0万人下方修正したため、2007年1~5月の月平均雇用増は+13.3万人となり、2006年の同+18.9万人、2005年の同+21.2万人等との比較では、なお減速が目立つ状況となっている。最近の景気鈍化が雇用にも反映された形と言えよう。
今回の増加要因を業種別に見ると、製造業では前月比▲1.9万人と11ヵ月連続で減少を見せる中、サービス部門全体では同+17.6万人(前月は+11.9万人)と増加幅を拡大した。なお、サービス業の中では、ヘルスケア等+3.6万人、飲食店+3.5万人、専門・技術サービス+2.7万人、教育+1.8万人、アミューズメント施設+1.6万人等で増加が大きかった半面、人材派遣(Employment services)は▲0.7万人と4ヵ月連続の減少となった。
一方、5月の失業率は4.5%となり、4月と同率だった。失業率は昨年9月以来4.4%~4.6%の狭いレンジの中での上下の動きが続いている。また、週平均の労働時間(民間)は33.9時間と前月33.8時間から増加した。

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