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地域経済の現状 ~地域格差の背景と近畿経済の見通し~
2006年12月01日
(小本 恵照)
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地域経済の概況を把握するとともに、地域間格差の現状と背景について考察した。あわせて、近畿経済の現状と見通しについて分析を行った。
日本経済は2006年11月には「いざなぎ景気」の拡大期間を超え、回復が続いている。地域経済についても、総じて景気回復が続いているが、地域によって回復スピードに強弱があり、地域間の景況感には依然として大きな格差が残っている。
足元の状況を見ると、地域は景況感の強弱によって3グループに大別される。関東、近畿、東海が上位グループ、北陸、中国、九州が中位グループ、北海道、東北、四国が下位グループに位置づけられる。大都市圏は好調に推移しているが、地方圏は景気回復感がやや乏しい状況が続いている。
製造業では過去の景気後退期に大きな地域格差を経験しており、今回の景況感の格差はそれほど大きなものではない。一方、非製造業については、過去10年間の景気変動の中で、かつてないほどの地域格差が見られる。ここ数年間の地域格差は、主として非製造業によって引き起こされている。
製造業、非製造業別に足元の動向を見ると、製造業は各地域とも概ね順調に回復している。非製造業についても回復は進んでいるが、そのスピードは遅い。サービス業等の回復は進んでいるものの、公共工事減少の影響が非製造業全体の回復を遅らせている。特に、公共事業への依存度が大きな地方経済でこの影響が大きい。
近畿経済は、全国と同様に2002年3月をボトムとして回復を続けている。2004年6月以降、景況感は全国水準を若干上回っている。ただし、構造的要因から雇用環境は全国水準を下回っている。消費、輸出、生産などはほぼ全国並みの水準である。
今後の近畿経済については、引き続き、中国はじめアジアを中心とする堅調な輸出が見込まれる中で、少なくとも日本経済全体並みの成長を維持していく可能性が高いだろう。
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