国法保険会社導入機運高まる米国保険業界

2006年06月25日

(小松原 章)

■目次

1.国法保険会社設立法案提出の背景
2.法案の概要
3.州など関係団体の反応
4.今回提案の意義

■introduction

米国の保険会社は原則として州の監督規制のもとで保険業務を営んでいる。連邦規制を受ける国法銀行と州規制を受ける州法銀行の2重銀行制度を有する銀行とはこの点で規制上の大きな相違が見られる。
州による保険会社の規制についてはこれまでも業界側などにより効率性の観点(規制の州間の相違による非効率性)からそのあり方に強い関心がもたれていた。とりわけ、90年代末に成立した金融制度改革(Gramm-Leach-Bliley法(GLB法))により金融持株会社方式で、銀行、証券、保険を傘下に入れてグループ一体経営を行うことが可能となったことを受け、生保業界は銀行等との競争上著しい不利益を受けるとの危機感を持つに至り、銀行類似の国法保険会社制度導入を含めての規制の見直しを議会、監督当局等に強く要請していた。
このような中で、本年4月に上院議員のジョン・スヌヌ(John Sununu)、ティム・ジョンソン(Tim Johnson)両議員により連邦免許の国法保険会社導入を目指した国法保険会社法案(National Insurance Act of 2006)が連邦議会に提出された。

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