確定拠出年金制度個人型の課題

2006年06月01日

2001年10月に確定拠出年金法が施行されて満5年近いが、個人型への加入が低迷している。昨年末に、企業型が、企業数5,609社(規約数は1,657)、加入員約170万人と順調に増加しているのに対し、個人型はわずか57,603人加入の体たらくである。
個人型は、自営業者(1号)や企業年金のない企業に勤める役職員(2号)を対象とするもので、公務員や主婦は含まれていない。このように、対象者が限られているとはいえ、全国で6万人に満たない現状では、制度の存在意義が問われかねない。
すでに中小企業の従業員は、退職金、中退共、特退共のほか、生保会社が提供する個人年金に加入している人も多い。また、自営業者の場合、掛金の損金限度額が国民年金基金と合算で適用されるほか、小規模共済など他の制度もある。
個人型低迷の原因は、中小企業や自営業者にとって魅力の乏しい点であろう。そもそも企業型を選択しない中小企業が、従業員に対し積極的に個人型の意義を訴えるとは考えにくい。個人型を普及させるためには、既存制度の見直しが不可避であろう。

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