年金改革は企業にどのような影響を与えるか?

2004年07月23日

(篠原 哲)

  1. 今回の景気回復は、アメリカや中国向けの輸出の拡大という外需に牽引された回復であるとともに、企業の地道なリストラの成果という側面もある。足もとでは、リストラにある程度の目処がついたこともあり、大きく低迷していた雇用・所得環境も、景気や企業収益の回復を受けて、改善の動きが現れてきた。
  2. 本年の10月に実施される厚生年金保険料の引き上げは、保険料の半分を負担する企業にとってはコストの増加要因となる。このため、2017年までの長期に及ぶ保険料率の引き上げは、企業の収益を圧迫し、雇用・所得環境を悪化させる要因となる可能性がある。
  3. 今後、保険料負担が増加するにつれて、企業は再び雇用や給与の削減に取り組み始める可能性が考えられる。
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