最近の米国経済・金融動向 ~雇用回復で高まる利上げ期待

2004年04月16日

(土肥原 晋)

(熊谷 潤一)

<米国経済の動き>

  1. 米国では、雇用統計が、単月30万人超と市場予想を上回る雇用者数の増加を見せ、景気の先行きを明るくした。単月の統計だけで今後の動向を予想することはできないが、雇用が改善方向にあることを示す経済指標は多く、今後の回復歩調が期待されるところだ。
  2. 4/29発表予定の1-3月期GDPについても前期比年率で4%台後半の堅調推移が予想される。そうした中で、ガソリン価格の上昇とイラク情勢の混迷化が懸念材料となっている。イラクの戦闘拡大により米軍は増派に動いており、一層の混乱が生じれば、消費マインドにも影響し景気に影を投げかけることとなろう。

<米国金融市場の動き>

  1. 4/2に発表された3月分の雇用統計において、非農業部門就業者数が対前月30万人増加したことで、米国金融市場の雰囲気は一変した。
  2. 金利上昇リスクを回避すべく、過度に長期債を敬遠すると、債券運用の最も基本的な収益源である「利回り」が極端に下がってしまう。とりわけ、イールドカーブのフラット化が進むと仮定するのであれば、こうした状態は避けたいところだろう。

土肥原 晋

熊谷 潤一

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