シニア層生活満足感の経時変化分析 -パネルデータによる加齢効果の分析-

2003年11月25日

(村田 久)

本研究はシニア層における生活満足感の様態が、経時変化(加齢効果)によりどのように変化しているのかをパネルデータにより明らかにすることを目的としている。
高齢社会研究の分野において‘幸福な老い’(successful aging)は最も重要な課題とされてきた。生活満足感が生活を構成する生活実態、生活意識の最終的な従属変数として捉えられたならば、生活満足感は生活全体の評価として考えることができ、本研究は生活の質を考察する上での重要な資料となりうる。
本研究ではパネルデータの特徴を生かした分析を行うため、平均・共分散構造を導入した構造方程式モデルにより分析を行う。
分析の結果、「現在の貯蓄」「将来への備え」「余暇生活」「自分の社会的地位」の要素で構成される生活満足感モデルが構築された。4年間における生活満足感のミクロでみた個人的変動は大きく、マクロでは生活満足感は若干低下する傾向にあることなどが明らかになった。

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