財政にかかる内外からの負担増 -イラク復興費と基礎年金国庫負担-

2003年10月31日

(篠原 哲)

  1. 来年度の予算も歳出削減、予算規模抑制の方向へ向かう可能性が大きいが、新たな支出を要する問題として「イラクの復興支援費の拠出」、および「基礎年金国庫負担割合引き上げ」がクローズアップされている。
  2. 日本の負担が、イラク復興支援国会議で表明した支援費総額(4年間で50億ドル)にとどまるとすれば、それが直ちに財政赤字の拡大につながる可能性は低い。
  3. 基礎年金の国庫負担の引き上げが、財源がないまま実行されるのであれば、一般会計のプライマリーバランス赤字はさらに悪化することになる。現状では財源についての目処は立っておらず、国庫負担の引き上げが、来年の改正で完全に実施される可能性は低いと考えられる。
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