本当に有利か?ワンルームマンション投資 -投資リスクを誤解させる利回り表示

2002年10月08日

(不動産投資分析T)

■見出し

1.再び人気を呼ぶワンルームマンション投資
2.さまざまな利回り指標
3.不動産リスクプレミアムの想定
4.求められる投資家教育と適切な情報開示

■introduction

「ペイオフ対策の新たな運用手段」、「低金利時代に預金より高い利回りが期待できる」、「家賃収入を将来の年金の一助に」などのキャッチコピーで、ワンルームマンション投資が再び人気を呼んでいる。1980年代後半のバブル期は、転売時の値上がり益や節税効果を狙った投資商品が主流であったが、今回は、低金利下における長期安定的な利回り商品という性格付けが個人投資家にアピールしているようだ。
しかし、ワンルームマンション投資は、個人にとって本当に有利な資産運用手段であるといえるのであろうか。少なくとも、重要な投資判断材料のひとつである利回りについて、正しく理解しないまま投資を行っている個人が多いように見受けられる。
そこで、以下では、ワンルームマンション投資における「利回り」について、金融的アプローチによる投資判断の考え方を理解する一助とするため、モデルケースを用いて解説したい(図表-1)。

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