金融商品は名前がすべてか

2002年08月01日

似たものが、呼び方によって全く違って見えることがある。金融商品でも同様、古くはジャンク・ボンドとハイ・イールド・ボンド。また、新しいところでは、アクティブ・ファンドとエンハンスド・インデックス・ファンドがその一例だろう。
金融工学を生業にしていると忘れがちだが、ビジネスには、科学とコミュニケーションの両面があるから、商品を提供する側は、上手な名付けが大切だ。金融商品は抽象度が高く、はっきりとした実像を結び難い分、名が体を表してしまう可能性が強いだけに、名付けは一層重要になるのである。
裏返して考えると、商品の提供を受ける側では、言霊(ことだま)のベールを透かして、実態を見通す目(目利き)が必要だ。自分には見えているとの思い込み(半可通)ほど、危ういものはない。夏休みには、しっかりと眼力を養い、混迷、波乱する投資環境に対処したいものである。

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