社会保障と公的年金の今後のあり方(報告:伏見恵文委員)

2001年05月29日

(年金フォーラム事務局)

■見出し

1.社会保障の条件
2.公的年金の今後のあり方

■introduction

年金フォーラムでは、年金民営化を当面の主たるテーマに検討を進めておりますが、第9回は、伏見委員から、「社会保障と公的年金の今後のあり方」について、ご報告いただきました。以下は、伏見委員の報告概要です。
・ 社会保障制度の中心的な目的は、(1)リスク・プーリング、(2)社会的ニードの充足の2つであり、いずれにおいても、所得再分配が重要なファクターである。
・ リスク・プーリングのうち、持続的なリスクに対する給付は、「平等化」の方向に向かう必要性がある。ナショナル・ミニマムとしての保障+αとすべき。一時的なリスクにはアクティブな対策が重要(失業対策など)。
・ 社会保障制度には、サスティナビリティおよび世代間公平の2つが大きな課題。特に公的年金では、サスティナビリティの確保が重要。
・ 公的年金制度に関しては、(1)基礎年金はすべての退職者に保障、(2)所得比例部分は低所得者に傾斜配分すべき、(3)財政方式は積立方式に傾斜すべき、である。
・ 財源は社会保険料方式を継続する。ただし、基礎年金の定額保険料は廃止し、第1号被保険者も含めて、所得比例型の保険料体系とすべき。
・ こうしたことから、現行の1階+2階の制度を一元化(スウェーデン型)、給付は確定給付として米国のような制度設計とする。その上で、(1)事業主負担は現行どおり、(2)保険料の下限はパート雇用者も払えるように設定する、などの対策が必要。

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