高島 浩一()
研究領域:
研究・専門分野
■目次
1.はじめに
2.株式会社化の背景と目的
3.プル社の株式会社化計画の概要
4.プル社の株式会社化における注目点
5.おわりに
■introduction
昨年12月15日、米国最大の生保会社であるプルデンシャル社( Prudential Insurance Company of America、以下、プル社)が、取締役会で、相互会社から株式会社への転換を正式に決議した。
同社が株式会社へ転換する方針を表明したのは、98年2月12日である。今回の正式決議までに実に3年近くが経過した。この間、プル社に遅れて株式会社化の方針を表明したジョン・ハンコック社(99年末総資産全米第13位、98年5月表明)およびメトロポリタン社(同第2位、98年11月表明、以下、メットライフ)が、同社を追い越し、それぞれ昨年1月と4月に株式会社化およびIPO(新規株式公開)・上場を完了した。プル社のもたつきに、最大手ゆえの苦労が感じられる。
プル社は、メットライフとともに1,100万人に及ぶ保険契約者を擁する巨大生保会社である。プル社の株式会社化は、同じく数百万から1,000万規模の契約者を有するわが国の生保相互会社にとっても、注目すべき事例である。
プル社はわが国になじみの深い会社でもある。わが国生保市場での事業活動は、ソニーと合弁でソニープルデンシャル生命(現ソニー生命)を設立した79年に始まり、20年に及ぶ歴史を有している。ソニーと袂を分かった後に設立した100%子会社プルデンシャル生命(日本法人)の業績向上も著しい。この4月には、破綻した協栄生命の基盤を引き継いだジブラルタ生命をグループに加えた。
以下、プル社の株式会社化の状況についてレポートしたい。
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