いま問われるのは結果より説明責任

2001年05月01日

TOPIX(東証株価指数)の25%下落など株式市場の低迷により、2000年度の年金運用は、関係者が目を覆いたくなるような悪いパフォーマンスとなった。そこで、スポンサー企業など周囲の目を気にすると、ついつい何か「改善策」を取りたくなる。
しかし、拙速は禁物である。チェックすべきは、結果よりプロセスである。たとえば、株式リターンの標準偏差が20%の場合、今回のような25%下落は10%の確率で起こりうる。問題は、政策的あるいは年度の資産配分を決める際に、こうしたリスクをスポンサー企業や理事会などの場で十分に説明していたかどうかである。
運用機関評価も同じである。ベンチマークに勝った、負けたではなく、ベンチマークからの乖離が許容したアクティブ・リスクや運用スタイルの範囲に収まっているかどうかをチェックすべきである。
結果が悪い度にやり方を変えていては、同じ誤りを繰り返しがちになる。見直しが必要とすれば、まずプロセスと説明責任のあり方であろう。

レポートについてお問い合わせ
(取材・講演依頼)

関連カテゴリ・レポート