米利上げ終息は時期尚早

2000年10月01日

(山田 剛史)

■intrduction

利上げ終息を織り込む米金融市場
米国経済は、連邦準備理事会(FRB)による昨年6月以降の6回にわたる金融引締めの効果から、景気が減速傾向に向かい、インフレ懸念が後退したとの見方が広がっている。
金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)は、6月、8月と連続して利上げを見送った。大統領選を控えた10月も追加利上げの見送りが予想されることから、株式市場では買い安心感が広がり、ダウ工業株30 種平均は4ヵ月ぶりに11,000ドル台を回復した。また米国債市場も、景気減速や政府による国債買い戻し(buybacks)を反映して上昇、10年債利回りは一時5.6%台をつけ、1年ぶりの低水準で推移している。
米金融市場では、FRB による年内の利上げ見送りでなく、利上げ自体が終了局面にあるとの判断もあり、今後の金融相場入りを見越した資金流入の動きが見られる。

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