環境にやさしい交通

1999年10月25日

(白石 真澄)

■introduction

わが国の都市部では、交通量の増大に伴って慢性的な自動車渋滞が発生し、環境負荷や時間消費の面で大きな社会的損失を生み出している。これに対し、自動車交通を円滑に進めるための道路整備や、自動車利用の需要に働きかけることによって混雑緩和を行う交通需要管理(Transportation Demand Management:TMD)が行われてきている。
これまでにも国外ではフランスのパリ郊外にあるサンカンタン市、ドイツのブレーメン、さらにアメリカ11州でも、市民が電気自動車や低公害車を用いた車両を共有(カーシェアリング)し、地域での渋滞解消や環境負荷の軽減といった一定の効果を上げている。
わが国でも平成11年度より、各地で電気自動車を利用した社会実験が実施されはじめている。そのひとつが神奈川県海老名市でスタートする「エコ・パークアンドライド」である。これは、朝夕の通勤に利用する自動車と、日中の業務に使う自動車を、市民と地元自治体・企業が共有化することで、駅周辺の駐車場の有効利用、自動車の維持管理費の低減化、さらに電気自動車を用いることで排気ガスを回避し環境負荷を軽減するといった試みである(図表-1)。

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