市場縮小に直面する大手住宅メーカー-求められる戸建住宅戦略の再構築

1998年02月25日

(村社 通夫)

■目次

1. 修正を余儀なくされた規模拡大路線
2. 注文住宅中心の戸建市場
3. 大手住宅メーカーの戸建戦略
4. マーケティングの画一性と高い営業コスト
5. 求められる事業戦略の再構築

■introduction

大手住宅メーカーは、 バブルの前後を通じて一貫した右上がりの拡大路線を歩んできた。 この業績拡大を牽引してきたのが戸建住宅部門である。 アパート等の共同住宅部門が 92 年度をピークに減少に転じたことを背景に、 大手各社は戸建住宅部門へ重点的に経営資源をシフトし、 積極的な事業展開を図ってきた。 95 年度は阪神淡路大震災による復興特需、 96 年度には消費税引き上げにともなう駆け込み需要から戸建市場の需要が嵩上げされてきたことも好調を支える要因となった。
しかし、 97 年度において、 バブル後初めての大幅な受注減少に直面し、 従来の拡大路線から修正を余儀なくされている。 年度当初の予想では、 各社ともおしなべて増収増益の持続を見込んでいたが、 中間決算時点では一転して、 一桁台の減収ながら3割前後の大幅減益が必至との予想に転じている。 業績悪化の主因は、 業績拡大の牽引車であった戸建住宅の予想外の落ち込みにある。

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