グローバル運用に試練

1997年12月01日

世界の株価が連鎖的に急落した。ブラックマンデーから10年、アジア発のNY株下落を正確に予測できた機関は、恐らくないものと思われ、「災いは忘れた頃にやってくる」の感が深い。
とはいえ、国内金利が史上最低水準にある中で、最近は、グローバル運用に活路を求める年金基金やファンド・マネジャーが増えていただけに、難しい局面を迎えているものと推察される。
グローバル運用には、マーケット分散によるリスク逓減効果が期待されている。つまり、ハイリスク-ハイリターンな株式でも、世界的に分散投資すれば、ある程度、リスクを減らすことができるとの考えにもとづいている。
しかし、このように連鎖的な急落に直面すると、マーケットの連動性が高まっているように見えるが、落ち着きを取り戻すにしたがって、各国の経済ファンダメンタルズを反映し、長期的には、マーケットが再び分散効果を発揮できるように機能することが期待されるのである。

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