第二フェーズに入る金融ビッグバン

1997年10月25日

(山中 壽一)

■目次

1. ビッグバンその事始め
2. 公表された3つの報告書
3. 大手銀行の問題意識の変化
4. ポスト・ビッグバン時代の展望

■introduction

最近、新聞紙面等でビッグバンという言葉をよく目にするようになった。金融ビッグバン、証券ビッグバン、通信ビッグバン、放送ビッグバン等々、実に様々な分野でビッグバンという言葉が用いられており、一種の流行語となった感すらある。ビッグバンは、元々は、「宇宙が膨張を始めるきっかけとなったとされる大爆発」を意味する物理学の専門用語である。それが初めて経済上の出来事に用いられたのは、1986年10月に英国で実施された証券市場改革に対してである。それは当時のサッチャー首相がじり貧状態を余儀なくされていた英国経済の再生を目指して行った規制緩和策のひとつで、大規模かつ一気呵成に進める有り様をビッグバン(大爆発)になぞらえたものである。

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