1995年08月01日
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<要旨>
以下は、「1995年度改定経済見通し」(4/7:以下、前回、ないし前回予測)を見直したものである。実質GDP成長率は、米、独、英の海外3ヵ国はわずかに下方修正し、日本経済はやや大幅な引き下げを行った。日本経済は景気が腰折れし、低迷状況となる恐れが強い。スパイラル的悪化を回避するため、追加対策が不可欠である。なお、本予測より、アジアの主要5ヵ国の予測を開始した。
I.海外環境
~米国は依然軟着陸が可能な情勢、ドイツはマルク高の影響で景気鈍化へ
英国は最終利上げ局面ヘ、アジアは高成長ながらやや鋭化の方向
II.日本経済
~95年度は0.5%成長と4年連続ほぽゼロ成長に
景気は腰折れし低迷の恐れが強い、スパイラル的悪化回避に不可欠な追加対策
日本経済は試練の時期にある。規制緩和を軸とした拡大均衡追求の観点を基本に、民間部門、公的部門ともにリストラを進め、構造改革をはかる必要がある。効率改善を目指したリストラ、円高状況への取り組みなどが求められ、このことはマクロ的な産業構造調整への対応でもある。また、当面の重要課題は景気のスパイラル的悪化の防止であり、公共投資基本計画の前倒しとしての公共投資追加や減税継続などの景気下支え策と不良債権問題への取り組み促進-重要と考える。