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地球環境保全のための7つのブレークスルー -持続可能な地球社会実現のための環境保全策を鳥瞰する-
1994年04月01日
(川村 雅彦)
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<要旨>
2つの環境問題
環境問題には本質的に性格の違う2種類の問題がある。地域環境問題と地球環境問題である。前者は産業公害や一部の都市公害など原因や影響の範囲が局地的・地域限定的な問題である。直接的な「環境汚染」が問題とされ、環境基準を守らない者だけを罰する直接規制の対策が取られてきた。
これに対し地球環境問題は人間の諸活動が原因である。個々の日常行為では反社会的な意識が低く環境への負荷も微量であるが、これが集積すると全体として地球規模の環境問題を引き起こす。影響は一地域や一国にとどまらず地球的規模に及び、また将来世代の存続にもかかわる問題である。
地球環境保全のためのブレークスルーの必要性
あらゆる人間行為が地球環境に負荷を与える以上、このままでは持続的発展が可能な社会への変革は難しい。地球環境保全のためにブレークスルーが必要である。それには技術的なものと社会的なものがあり、7種類に分類することができる。
技術的ブレークスルー : 1)革新的技術変革型 2)既存技術改良変革型
社会的ブレークスルー : 3)都市構造変革型 4)経済システム変革型
5)政治国際変革型 6)生活様式変革型
7)社会的価値観変革型
社会経済システムと環境負荷の関係
技術革新が社会経済システムを質的に変容させることもある。しかし、革新的技術の開発や既存技術の改良が行われても、それを受け入れる社会経済システムがなければ無意味である。技術的ブレークスルーと同時に、それ以上の社会的ブレークスルーの努力が必要である。
社会的ブレークスルーのためには、まず社会経済システムと環境負荷の関係を把握しなければならない。本稿では都市構造、政治経済、生活様式、価値観などの社会経済システムの要素と環境負荷の関係について仮説を提示する。
しかし、このような試みは始まったばかりである。持続可能な地球環境保全型の社会を模索していくためには、今後定性的かつ定量的な環境負荷との因果関係をより明確化していく必要がある。
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川村 雅彦
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