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アメリカ生命保険業界の社会公共活動
1992年10月01日
(常見 真紀子)
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<要旨>
昨年(1991年)、アメリカの生命保険協会内に社会公共活動の専門組織が設立されてから、20周年を迎え、全国の生命保険会社のトップによる記念総会が開かれる中で、生命保険業界としての社会公共活動の理念が発表された。アメリカにおいてもこのような、業界団体における社会公共活動の専門組織の活動は極めて珍しく、20年間にわたるその活動は興味深い。
アメリカの生命保険業界で社会公共活動の活動主体として考えられるのは、業界団体、生命保険会社、会社の従業員、保険エージェン卜の4者である。
業界団体としての活動は、1960年代後半の社会運動の激化による都市の荒廃を契機とした「20億ドル都市投資プログラム」の実施に遡ることができる。現在は、1971年に生命保険協会内に設置された専門組織である「社会公共活動委員会」、「社会公共活動センター」を通しての業界内の情報交換、業界としての活動方針の決定、並びに活動の外部への広報活動が主なものである。業界全体に関わる大きな問題が生じた場合にも、同委員会、センターを中心としての生保業界内各社が力を合わせて行動を起こすこともある。
生命保険会社各社ではそれぞれの経営資源を活用して、自主的に社会公共活動に取り組んでいる。各社の活動が始められたのは、それぞれの会社によって異なっており、会社によっては19世紀の会社創立時から社会公共活動に取り組んできたところもある。いずれにせよ、現在行っている活動の始まりは、1960年代の社会運動がきっかけとなっている場合が多い。生命保険事業に直接関係する健康増進運動から都市再開発への投資プログラムまで、地域社会のニーズによって様々な活動を行っている。
従業員やエージェン卜は基本的にはプライベー卜の時間に自発的にボランティア活動を行っている。勤務先によっては教育機関などに派遣される制度を有しており、その制度の中で活動に関わることもある。また、エージェン卜の社会公共活動として目立っているものに、エージェントの団体であるMDRTによる基金を設立しての寄付を中心とした活動がある。
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常見 真紀子
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