香港21世紀ヘTAKE OFF ― 新空港建設等香港大型インフラ整備計画 ―

1991年10月01日

(植木 務)

■見出し

はじめに
1.PADSプロジェクトの概要
2.香港経済への影響
3.PADSプロジェクトにおける中英交渉
終わりに

■はじめに

ウィルソン総督は1989年10月定例演説の中で、2006年迄に総額1,270億HK$(約2兆3,000億円)に達する新空港建設を中心とした香港の大型インフラ整備計画(PORT & AIRPORT DEVELOPMENT STRATEGY:通称PADS)を発表した。この投資額は、香港の年間GDPの約30%に相当し、円ベースでは関西新空港計画総事業費の約2倍に及ぶ。

同計画には'89.6.4天安門事件後、香港の景気が後退し将来への不安感が高まる中で、景気の浮揚効果と同時に、香港の将来に対する内外のコンフィデンス回復といった意図が込められている。また、1997年を跨ぐ一大プロジェクトであるため、政治的には'97年の返還に向けた中国の"香港政策"としても注目されている。

そこでPADSプロジェクトの概要を整理しつつ香港経済への影響を分析し、中英交渉が難航した政治的背景についてレポートすることにする。

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