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東京一極集中とオフィス立地政策
1991年09月01日
(土堤内 昭雄)
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<要旨>
日本経済のソフト化・サービス化は2次産業から3次産業への移行と、2次産業自体の2.5次産業化をもたらし、その結果オフィス人口が著しく増加した。また、東京のオフィス床面積は、過去10年間に50%近く増加し、特に都心周辺区において大きく伸びている。集積量のシェアとしては都心区で約60%、都心周辺区を含めると約80%にもなり都心を中心にオフィスが集積している実態が明らかである。
このオフィス集積をもたらした企業側のオフィス需要は、重要な経営資源である情報や人材をめぐる経営環境の変化に対応する企業行動のひとつとして理解できる。企業は情報化という外部環境の変化に対して、中枢管理機能、情報受発信機能、情報処理機能、研究開発機能等の強化を図り、人材の確保と活用のために教育・研修機能や生活支援機能を充実させている。
このようにして都心部を中心に多くのオフィス人口とオフィス集積が形成されているが、都心部に一極集中するオフィス人口は東京圏の職住のアンバランスや電力、ゴミ処理などの都市基盤容景の不足等の問題を発生させている。その様な状況にあって今、都心部のオフィス立地抑制について議論され始めている。
昭和30年代における工業化社会では、都市への過度の人口集中を抑制するために工場立地政策があった。昭和60年代のソフト化社会においては、経済成長の原動力はサービス業であることから、今オフィス立地政策の重要性が高まっている。一方、企業側においてもオフィスを重要な経営資源のひとつとして捉え、その活用を経営問題と認識することが求められている。
都心における定住人口の回復とオフィス立地抑制や、新たなオフィス集積拠点の整備などオフィス立地政策に課せられた課題は多いが、実効ある政策策定のためには企業経営的視点からのオフィス立地研究が必要であるう。
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