フランスの銀行TVコマーシャル事情

1991年05月01日

(鈴木 由則)

■見出し

はじめに
1.フランスのテレビ
2.テレビコマーシャルの法制
3.銀行のテレビコマーシャル
結びにかえて

■はじめに

シャネルの男性用オードトワレ「エゴイスト」のテレビコマーシャルをご記憶であろうか。南仏風のホテルの窓が一斉に開いて美女達が現われ、怒りをこめて口々に「エゴイスト」と叫ぶこのコマーシャル、仲々忘れることの出来ないものの一つである。

このフランスを代表する高級品メーカーのテレビコマーシャルを制作したのは、ジャンポール=グードというフランス人である。1989年7月14日の革命200年にあたるパリ祭で、シャンゼリゼのパレード等を企画し世界的に有名になったフランスを代表するアーティストである。

シャネルの様に美意識が最優先される業界において、コマーシャルに芸術家を起用するものはもっともな話である。しかし、このジャンポール=グードが、日本人にとってお堅いイメージの強い銀行のテレビコマーシャルも手がけていると言ったら驚かれるのではなかろうか。そもそも多くの日本人にとって、フランスの銀行名は簡単に挙がらないのが普通であろう。まして、そのテレビコマーシャルなど想像がつかないと思われる。

今年の1月から日本でも銀行のテレビコマーシャルが解禁となった。タレントを起用したり、変わった動物を登場させたりと、各行とも工夫している様がここパリにも伝えられている。

当海外だよりでは、多くの日本人にとってなじみの薄いフランスのテレビ・銀行の紹介を兼ねながら、当地の銀行テレビコマーシャル事情を紹介したい。

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