中国の年金制度について

1991年02月01日

(桂田 孝司)

■見出し

1.はじめに―急速に高齢化を迎える中国
2.中国の年金制度の概要
3.全人民所有制企業(国営企業)・国家機関の年金制度
4.全人民所有制企業(国営企業)・国家機関の年金制度改革
5.集団所有制企業・個人経営企業に対する年金制度の動向
6.農民に対する年金制度の動向
7.おわりに

■はじめに

11億3千万人(1990年7月現在)の人口を抱える中国では、一人っ子政策を主因とする若年者の減少と平均余命の著しい改善により、日本以上に急速な高齢化を迎えつつある。人口の高齢化は20世紀に入り全世界で遂行している現象である。国連の将来人口推計をベースとした資料によれば、中国の老齢人口割合は1980年の4.7%から上昇を続け2016年に10%の老年型の人口構成に突入し、2038年には20%に達するものと予想されている 。中国の人口高齢化はそのスタートが、一部の国に比べて若干遅かったのにも係わらず、その後の勢いが急速であるという特徴を有している。このため各種の社会環境整備の遅れが指摘されているが、なかでも老齢年金制度の整備が重要となっている。

そこで、本稿では弊社中国室ならびに弊事務所の日常活動から収集し得た資料等をベースに中国の年金制度の整備の現状と問題点を紹介したい。

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