紙パルプ産業をとりまく環境変化

1990年05月01日

(小野 正人)

■見出し

はじめに
1.重複して現れた需要増加要因
2.今後の紙需要
3.資源保護問題の高まり
4.問われる国際展開力
おわりに

■はじめに

ここ数年、わが国の紙需要が伸びている。紙の国内出荷は'82年以来'89年まで8年連続で増加しており、特にこの2年間は経済成長率を大幅に上回る伸びを示している。こうした需要増を追い風に各メーカーでは設備の新増設が活発化し、昨年より相次いで新鋭設備が稼働している。

この紙需要の増加は、単に景気拡大により各需要分野の活動水準が高まっただけでなく、今回の景気拡大の特徴である構造転換や情報化・高度化が紙需要に好影響をもたらしているためと思われる。反面、世界的な拡がりをみせている環境保護運動の高まりが原材料供給の不安定化や紙ごみの急増の形となって業界に課題を投げかけている。ここでは最近における紙パルプ産業の需要構造変化の動きを総括するとともに、資源保護問題と国際展開の動向について検討してみた。

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