証券化と投資銀行業務の進展

1989年12月01日

(小島 雅明)

■見出し

1.はじめに
2.アメリカの投資銀行の歴史
3.証券化の現状
4.投資銀行の現状
5.今後の投資銀行の方向

■はじめに

ここ数年、日本及び欧米主要国における金融市場・金融制度は大きく変化してきており、その動きは今後更に加速されることが予想される。日本においては、金利をはじめとする金融の自由化が相当程度進展し、オフショア市場の創設や東京証券取引所の会員権の開放等、国際的な金融市場としての門戸の開放が積極的に進められてきている。同時に先物やオプション取引市場が創設され、金融の技術革新の素地が出来上がってきたと言える。今後は、それらの金融市場及び金融制度をどの様に整備するのかが大きな課題であり、金融制度調査会等の各種調査会・審議会等で検討されている段階となっている。

この様な動きを考えるに当たっては、証券化(Securitization)が一つのキーワードとなる。そこで本論では証券化が最も進んでいるアメリカにおける状況、及び証券化がその主な担い手である投資銀行にどの様な影響を与えているのか、また与えようとしているのかということを概観することとする。また、アメリカにおける証券化と投資銀行の変貌は、日本にも多大な影響を与えつつあると思われるため、その点についても触れることとする。

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