日本の長期貸出市場の現状

1989年12月01日

(米納 嘉継)

■見出し

1.業種別・規模別借入れ状況
2.借手サイドからの分析
3.貸手サイドからのアプローチ
4.企業の長期借入金の借換え行動
5.おわりに

■introduction

金融分野に関する研究は数多く存在するが、貸出市場、とりわけ貸出期間が1年超の「長期貸出市場」に関する実証的分析は極めて少ない。これは、長期貸出市場が、相対(あいたい)取引的性格が強く、実証的データの利用が困難なためであろう。しかしながら、金融機関、特に長期資金を取り扱う金融機関にとって、長期貸出は資産運用のかなり重要な部分を占めている。ちなみに、昭和63年3月末時点での、各金融業態の総資産に占める長期貸出金の割合は、都銀、地銀、生保で3割強、信託銀行で2割程度、長信銀では4~5割程度となっている。

そこで、利用可能なデータを用い、日本の長期貸出市場の現状分析に着手した。本稿はそのファクトファインディングを中心とした中間報告である。尚、長期貸出市場を考えるにあたっては、量的な側面と貸出条件的な側面とに分けて考えるととが出来ょう。本稿は量的な面および金利以外の条件的な面に限って考察する。貸出金利については、「新規貸出への適用金利」のデータが、入手困難であることから別の機会にゆずる。

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