西ドイツにおける州立銀行の合併と民営化の動き

1989年03月01日

(伊崎 義展)

■見出し

1.はじめに
2.州立銀行合併の動き
3.州立銀行民営化の提案
4.おわりに

■はじめに

西ドイツの全銀行シェア(総資産ベース)の約40%を占める州立銀行(傘下の貯蓄銀行を含む)において、ECの金融市場統合等の流れを受けて次のような動きがみられている。

(1)中堅州立銀行であるシュトゥットガルト州立銀行とバディッシェ・コミュナル州立銀行が1989年1月に合併

(2)大手州立銀行であるウェストドイツ州立銀行(West LB)とへッセン州立銀行(Helaba)が合併交渉中

(3)更には、1992年のEC統合からその後にかけて州立銀行の再編による地域ブロック化といった見方の現出

また、州立銀行の合併・再編の動きと併せて、西ドイツ政府連立与党の一画を占める自由民主党(FDP)による州立銀行の民営化提案がある。この提案の狙いは、「EC統合とともにやってくる金融市場の構造的変革における州立銀行と傘下の貯蓄銀行の生き残り」としているが、有力政党の提案であるだけに注目される。

そこで、本稿では、西ドイツの州立銀行のこのような動きをレポートする。

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