米国現地生産を進める自動車業界

1988年10月01日

(小川 則道)

■見出し

1.はじめに
2.日本自動車業界の現状
3.米国自動車市場の現状
4.ビッグ3の動向と米国市場
5.米国商務省予測
6.まとめ

■はじめに

日・米・欧の同時好況と高級車ブーム、各社の相次ぐ新車発表によって、今年のわが国の8月までの自動車国内販売は325万台(前年同期比15.3%増)と、記録的な伸びを示している。しかし輸出については、円高による販売価格の大幅な上昇のため数量ベースの減少が続いている。

こうした中で、海外市場においては価格競争力の低下と貿易黒字の縮小要請、米加自由貿易協定やEC統合による市場のブロック化といった問題に対処すべく、わが国自動車業界は米国・カナダでの現地生産化を進めている。その結果、'90年代に入ると最大の市場である米国では小型乗用車市場での販売競争の激化が予想され、また工場進出にともなう国内関連企業の空洞化もクローズ・アップされつつある。そこで現在日本車の全輸出量の約半数を占めている米国自動車市場の動向を中心にわが国の自動車業界の米国進出をめぐる動きを概観してみたい。
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