ECの金融市場統合と西ドイツ保険業界の動き

1988年07月01日

(伊崎 義展)

■見出し

1.はじめに
2.EC市場統合の行動計画
3.金融市場の統合
4.西ドイツ保険業界の動き
5.おわりに

■はじめに

今、ECは1992年末の域内市場の統合に向け大きく動いている。これは、ECにおける経済活動の国境を除去し、加盟12ヶ国ごとのヒト・モノ・カネ・サービスにかかわる諸規制を緩和、あるいは統一することにより、日米を凌ぐ3億2300万人の巨大な単一市場を作り出そうというものである。

このEC域内市場統合の潮流において、既に、さまざまな動きがみられる。例えば、1988年初頭、イタリアの実業家カル口・デ・ベネデッティ氏によるベルギー最大の持株会主ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジックに対する株式公開買い付け(TOB)はその一例である。この買収劇はフランスのスエズ金融会社とベルギー最大の保険会社AGグループの反撃により、結局失敗に終わったが、「ヨーロッパ株式会社」を目指したこの動きが世間の注目を集めたことは記憶に新しい。

そこで、本レポートではこのEC市場統合の行動計画であるコーフィールド白書等を概観しつつ、金融市場統一の動向と西ドイツ保険業界を巡る動きを紹介する。

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