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英国におけるソルベンシーIIのレビューを巡る動向(その1)-Brexit後の英国での検討の動き-
中村 亮一
英国は2020年2月1日にEUから離脱したが、2020年12月31日までは移行期間としてEU法が適用されてきた。これまでEU加盟国として、EUのソルベンシーII制度下にあった英国であるが、2021年からは、独自の新たな規制を構築していくことが可能になっている。
これまで、EUにおけるソルベンシーIIのレビューを巡る動向について、多くのレポートで報告してきたが、英国も独自に(英国における)ソルベンシーIIのレビューを進めている。今回と次回のレポートでは、英国におけるソルベンシーIIのレビューを巡る動向について、英国がどのような問題意識を有して、どのようなプロセスで、ソルベンシーIIのレビューを進めようとしているのかについて、過去1年間の動きを追うことで報告することにする。
まずは、今回のレポートでは、2020年10月に出された英国政府によるソルベンシーIIレビューの証拠要請 に関連しての、その具体的内容とそれに対するABI(英国保険会社協会)の規制担当者のコメント等を報告する。なお、今回の証拠要請は英国政府(財務省)によるものであるが、実際の規制内容等の検討等はイングランド銀行傘下のPRA(Prudential Regulation Authority:健全性規制機構)によって行われていくことになる。
■目次
1―はじめに
2―英国政府によるソルベンシーIIレビューの計画の発表
1|Rishi Sunak財務大臣の声明
2|この声明に対するABI(英国保険会社協会)の反応
3―英国政府によるソルベンシーIIレビューの証拠要請
1|概要
2|検討領域
3|証拠要請後の対応と次のステップ
4―英国におけるソルベンシーIIレビューにおける検討領域―具体的内容
1|リスクマージン
2|マッチング調整(MA)
3|SCRの計算
4|グループ資本計算
5|技術的準備金に関する移行措置
6|報告要件
7|外国保険会社の支店資本要件
8|ソルベンシーIIの下での規制の臨界値
9|保険会社の新規参入
10|LIBOR移行
11|レビューのための他の領域
5―英国におけるソルベンシーIIレビューにおける検討領域―EUとの比較等
1|EUのソルベンシーIIレビューにおける技術的検討項目
2|英国とEUのソルベンシーIIレビューの検討項目の比較
6―英国におけるソルベンシーIIレビューの証拠要請を受けてのABIの反応
1|証拠要請を受けてのABI事務局長Huw Evans氏のコメント
2|ABI規制担当理事のHugh Savill 氏のコメント
3|Steve Findley ABI健全性規制チームヘッドとのQ&A
7―まとめ
中村 亮一
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