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- 黄金比φについて(その1)-黄金比とはどのようなものなのか-
はじめに
今回は、その「黄金比」に関連するテーマについて、2回に分けて触れてみたい。まずは、今回は、その定義及び関連した概念や歴史等について説明し、次回に、その「黄金比」がどのようなところで使用され、現れてくるのかについて報告する。なお、「黄金比」とは別の「貴金属比」である「白銀比」等や「黄金比」と深く関連している「フィボナッチ数列」については、別途報告することにしたい。
黄金比とは
1 「τ(タウ)」という記号が使用されることもあるが、「τ」は次々回の研究員の眼で説明する「白銀比」で使用されることが多いようだ。
黄金比の意味するところ
2 フィボナッチ数列(Fibonacci sequence) (Fn) は、次の漸化式で定義される数列である。
F0 = 0,F1 = 1,Fn+2 = Fn + Fn+1 (n ≥ 0)
黄金長方形
黄金三角形
黄金数の長さの作成
正五角形
この図形において、例えばa/b、b/c、c/dは全て黄金比となる。このため、「五芒星」は美しい図形であるとして、歴史的にもまた現代のデザイン等でもよく使用されている。例えば、米国の国旗である星条旗等の国旗にも五芒星が見られる。
五芒星は、一筆書きが可能な図形としてもよく知られている。
正多面体等に見られる黄金比
この正多面体においては、表面的には黄金比はみられないが、正十二面体の面は正五角形になっていることから、先に述べたように黄金比が内在していることになる。加えて、この正十二面体、さらには正二十面体の表面積や体積には黄金比φが現れてくることになる。
黄金比の歴史
古代ギリシアの数学者ユークリッドの著書「ユークリッド原論」の第6巻では、先の線分におけるaとbの関係に基づいた「外中比」の定義として、「線分を外中比に分ける方法」が記されている。
古代ギリシアより、西洋ではこの比率は「神聖なる比」として、崇められてきたと言われている。
「黄金比」という言葉が使用されるようになったのは、19世紀になってからで、まずはドイツの数学者マルティン・オーム(Martin Ohm)が1835年の「初等純粋数学(Die reine Elementar Mathematik)」で「黄金分割(goldener Schnitt)」という用語を使用したとされている。「黄金比(golden ratio)」の用語については、その後、英国の心理学者であるジェームズ・サリー(James Sully)が美学関連で使用し、スコットランドの数学者であるジョージ・クリスタル(George Chrystal)が初めて数学的な意味合いで使用したとされている。
なお、黄金比に対する数学定数「φ」に使用については、研究員の眼「数学記号の由来について」シリーズの中で触れることとする。
中村 亮一
研究・専門分野
(2020年11月10日「研究員の眼」)
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