2026年01月27日

生成AI時代の「仕事」をめぐる大学生の不安の実情-高い就職率でも揺れ動く、Z世代の「自己成長」意識

生活研究部   准主任研究員

小口 裕 (おぐち ゆたか)

研究・専門分野
消費者行動(特に、エシカル消費、サステナブル・マーケティング)、地方創生(地方創生SDGsと持続可能な地域づくり)

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■要旨

ニッセイ基礎研究所が2025年に実施した調査によれば、「仕事についていけるか」「自分の能力でやっていけるか」といった不安は、社会との接点が現実のものとして意識されやすい「内定後の学生」および「25歳未満の社会人」で、とりわけ高い水準にある。
 
また、NTTドコモ モバイル社会研究所による2025年の調査では、「生成AI」に不安を感じている20代のうち、相当割合が不安の内容として「思考力低下や学力低下を及ぼしそう」「人間の仕事を奪われるリスクがありそう」などを挙げている。この点について、生成AIが情報探索や文章作成などの前工程を大幅に短縮し得る一方で、当人の能力形成が自動的に担保されるとは限らない、という先行研究の指摘も見られる。さらに、現役大学生からは、生成AIの利用が「自分がやった感じの希薄化」や「情報の偏り」「視野の狭まり」につながり得るのではないか、といった、成長機会の質に関する不安も聞かれている。
 
今後、Z世代からα世代へと学生の中心コホートが移行するにつれ、学生生活の延長線上で生成AIに接触し、日常的に利用する層は一段と厚くなると見込まれる。したがって企業にとっては、若年層に対し、AIとの協働を前提とした能力育成の方針とプロセスを明確に示し、将来不安を「成長の見通し」へと転換していけるかどうかが、これまで以上に問われる局面に入っていると言える。

■目次

1――はじめに~大学生が語る生成AIへの期待と不安
2――α世代の入口に近い現在のZ世代大学生~生成AI普及期と学生生活が重なる
3――将来の見通しに不安を感じる学生~進学率の上昇が大学卒で働く母集団を押し上げる
4――大学生が感じる「生成AI×消費」の典型的な不安~便利さが「意思決定の筋力」を落とす懸念
5――AI時代の若年層を迎える~AIとの協働を前提とした「人の能力育成方針」をどう打ち出すか

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2026年01月27日「基礎研レター」)

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生活研究部   准主任研究員

小口 裕 (おぐち ゆたか)

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消費者行動(特に、エシカル消費、サステナブル・マーケティング)、地方創生(地方創生SDGsと持続可能な地域づくり)

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