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2026年01月23日
2026年の消費~緩やかな改善傾向のもとで進む「使い方」と「選び方」の変化
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4――モノの選び方の変化と中古品市場の定着~二次流通を前提とした四つの消費スタイル
1|家庭に眠る91兆円の「かくれ資産」
消費行動の質的変化を考える上で、興味深いデータがある。メルカリの調査4によれば、1年以上利用しておらず、特に理由もなく家庭内に保管されているモノ(いわゆる「かくれ資産」)は、一人あたり平均71.5万円と推計される。これを日本全体でみると、その規模は約91兆円に上る。
年代別に見ると、20代では約50万円、60代では約100万円と、年齢が高いほど保有額は膨らんでいく。この数字が示しているのは、私たちの暮らしの中に、潜在的な価値を持つモノが大量に眠っているという現実である。
フリマアプリや中古品市場の拡大は、こうした「眠っている資産」を顕在化させ、モノの価値を再認識させる契機となった。そして、この変化は、消費者のモノの選び方そのものにも影響を及ぼしていると言える。
4 久我尚子「家庭に眠る91兆円の「かくれ資産」-データで読み解く暮らしの風景」、ニッセイ基礎研究所、研究員の眼(2025/12/22)
消費行動の質的変化を考える上で、興味深いデータがある。メルカリの調査4によれば、1年以上利用しておらず、特に理由もなく家庭内に保管されているモノ(いわゆる「かくれ資産」)は、一人あたり平均71.5万円と推計される。これを日本全体でみると、その規模は約91兆円に上る。
年代別に見ると、20代では約50万円、60代では約100万円と、年齢が高いほど保有額は膨らんでいく。この数字が示しているのは、私たちの暮らしの中に、潜在的な価値を持つモノが大量に眠っているという現実である。
フリマアプリや中古品市場の拡大は、こうした「眠っている資産」を顕在化させ、モノの価値を再認識させる契機となった。そして、この変化は、消費者のモノの選び方そのものにも影響を及ぼしていると言える。
4 久我尚子「家庭に眠る91兆円の「かくれ資産」-データで読み解く暮らしの風景」、ニッセイ基礎研究所、研究員の眼(2025/12/22)
一つ目は、コストパフォーマンス重視の使い切り型消費である。価格を最優先し、短期的な利便性を重視するスタイルで、使い終わったら手放す前提のため、リセールバリューはあまり意識されない。
二つ目は、リセールバリューを重視して賢く選ぶ消費である。品質やブランド価値を重視しつつ、「自分が長く使い続けるか」よりも、「手放す際にどの程度の価値が残るか」を意識する。モノを資産として捉え、市場価値を見据えた選択が特徴である。
三つ目は、長く愛用したい所有型消費である。リセールバリューよりも、自分が愛着を持って長く手元に置いておきたいという感覚が強く、品質や付加価値にこだわり、自分のライフスタイルを体現するモノを選ぶ。流行に左右されず、手放さない前提で選ぶ点が特徴である。
そして、これら三つとはやや異なるのが、体験やストーリーへの共感を軸に選ぶ消費である。商品そのものというよりも、それを持つことの意味が重要であり、ブランドの理念や物語、サステナビリティへの配慮、生産者の想いなどに共感して選ぶ。また、「推し」のグッズや、「推し」が宣伝している商品、イベント・体験に紐づくモノなど、モノを通じた体験や共感を重視する点が特徴である。
これらの消費スタイルは相互に排他的なものではなく、一つの商品が複数の要素を兼ね備えることも多い。たとえば、リセールバリューが高く、かつタイムレスなデザインで長く愛用できる商品や、ブランドのストーリーに共感しつつ、品質にもこだわった商品などである。商品やサービスがあふれた成熟した消費社会では、すべての消費者に一律に響く商品は存在しないからこそ、企業には、ターゲットを明確にした上で、それぞれに応じた価値提案が求められる。
フリマアプリや中古品の買い取りサービスの普及により、モノの価値は「見える化」されるようになった。今後使わなくなるモノは潜在的な資産であり、金融資産だけでなく、モノを運用するという発想も広がっている。これは、「暮らしの資産運用」と呼べる現象である。
新品を購入しないことが特別なのではなく、「まず中古品も含めて検討する」ことが、一般的な選択肢になりつつあると言える。循環型社会への関心の高まりとともに、リユース市場は確実に拡大している。
また、近年ではシニア層においても、フリマアプリや中古販売サービスの利用が広がっている。「売る」「買う」のいずれにおいても、デジタルに不慣れとされてきた層が、身近な生活用品から利用を始めるケースが増えている。一方、若い世代では、中古品に対する心理的な抵抗感はさらに低く、購入前に過去の取引価格を確認することが当たり前になっている。価格を「交渉するもの」ではなく、「市場で確認するもの」と捉える価値観は、消費行動の前提を大きく変えている。これは、リセールバリューを意識した消費行動の広がりを象徴している。
加えて、インバウンドの文脈でも、日本の中古品は注目を集めている。「used in Japan」「checked in Japan」といった言葉が示すように、品質管理や信頼性そのものが付加価値として評価されている。中古品市場は、国内消費にとどまらず、訪日客の消費とも結びつきながら、今後さらに裾野を広げていく可能性がある。
二つ目は、リセールバリューを重視して賢く選ぶ消費である。品質やブランド価値を重視しつつ、「自分が長く使い続けるか」よりも、「手放す際にどの程度の価値が残るか」を意識する。モノを資産として捉え、市場価値を見据えた選択が特徴である。
三つ目は、長く愛用したい所有型消費である。リセールバリューよりも、自分が愛着を持って長く手元に置いておきたいという感覚が強く、品質や付加価値にこだわり、自分のライフスタイルを体現するモノを選ぶ。流行に左右されず、手放さない前提で選ぶ点が特徴である。
そして、これら三つとはやや異なるのが、体験やストーリーへの共感を軸に選ぶ消費である。商品そのものというよりも、それを持つことの意味が重要であり、ブランドの理念や物語、サステナビリティへの配慮、生産者の想いなどに共感して選ぶ。また、「推し」のグッズや、「推し」が宣伝している商品、イベント・体験に紐づくモノなど、モノを通じた体験や共感を重視する点が特徴である。
これらの消費スタイルは相互に排他的なものではなく、一つの商品が複数の要素を兼ね備えることも多い。たとえば、リセールバリューが高く、かつタイムレスなデザインで長く愛用できる商品や、ブランドのストーリーに共感しつつ、品質にもこだわった商品などである。商品やサービスがあふれた成熟した消費社会では、すべての消費者に一律に響く商品は存在しないからこそ、企業には、ターゲットを明確にした上で、それぞれに応じた価値提案が求められる。
フリマアプリや中古品の買い取りサービスの普及により、モノの価値は「見える化」されるようになった。今後使わなくなるモノは潜在的な資産であり、金融資産だけでなく、モノを運用するという発想も広がっている。これは、「暮らしの資産運用」と呼べる現象である。
新品を購入しないことが特別なのではなく、「まず中古品も含めて検討する」ことが、一般的な選択肢になりつつあると言える。循環型社会への関心の高まりとともに、リユース市場は確実に拡大している。
また、近年ではシニア層においても、フリマアプリや中古販売サービスの利用が広がっている。「売る」「買う」のいずれにおいても、デジタルに不慣れとされてきた層が、身近な生活用品から利用を始めるケースが増えている。一方、若い世代では、中古品に対する心理的な抵抗感はさらに低く、購入前に過去の取引価格を確認することが当たり前になっている。価格を「交渉するもの」ではなく、「市場で確認するもの」と捉える価値観は、消費行動の前提を大きく変えている。これは、リセールバリューを意識した消費行動の広がりを象徴している。
加えて、インバウンドの文脈でも、日本の中古品は注目を集めている。「used in Japan」「checked in Japan」といった言葉が示すように、品質管理や信頼性そのものが付加価値として評価されている。中古品市場は、国内消費にとどまらず、訪日客の消費とも結びつきながら、今後さらに裾野を広げていく可能性がある。
5――消費を牽引する層の変化~「スーパー・パワー・ファミリー」という新たな注目層
共働き世帯に目を向けると、世帯年収が1,500万円、2,000万円を超える層は確実に増えている。当社でも継続的にパワーカップル・パワーファミリーの分析を行っているが5、株式会社野村総合研究所では、都市部居住で世帯年収3,000万円以上の大企業共働き世帯について、「スーパー・パワー・ファミリー」と定義し、その動向に注目している6。
人数としては限られるものの、これらの層の消費への影響力は小さくない。高収入層ほど賃上げ幅が大きく、資産効果の恩恵も受けやすいという傾向が見られるためである。
こうした高所得層の消費は、量よりも質、モノよりも体験、価格よりも時間や快適さを重視する傾向がある。旅行やレジャー(体験型・ラグジュアリー分野を含む)、子どもの教育、家事代行や時短サービス、自己啓発・スキルアップ、投資などへの支出に積極的である。全体の消費額を押し上げる存在というよりも、「消費の方向性を示す層」として、2026年以降、より注目されるのではないだろうか。
重要なのは、この層を単に「お金を使う層」として捉えないことである。パワーカップルの中核は小中学生を子育て中のパワーファミリーであり、デフレ・デジタル化の進展の中で価値観を形成してきた世代である。そのため、「バンバン使う」ことが良しとされるのではなく、納得感や合理性、長期的価値を重視する傾向が強い。費用対効果を意識し、余剰分は投資に回すといった姿勢が特徴的である。
実際、パワーカップル・パワーファミリー(夫婦ともに年収700万円以上、世帯年収1,500万円規模)を分析したところ、この層の経済感覚は意外と堅実である。経済的余裕感では「やや余裕がある」が過半数を占める一方で、「余裕がない」と回答する層も2割台に上る。子育て世帯が多く、教育費や住居費の負担が大きいことに加え、家事代行などのサービス利用も影響していると考えられる。
また、消費や貯蓄・投資に関する考え方を見ると、「今を楽しむ」志向と「将来に備える」志向が併存している。支出配分の方針が明確であり、安くて便利なものは賢く利用し、余剰分は投資に回すといった姿勢が見られる。
こうした特徴を踏まえると、企業が当該層にアプローチする際には、単純に「高級品であれば響く」という発想では不十分である。生活の質を高めながら無駄のないサービス、時間を有効活用できる仕組み、長期的に見てコストパフォーマンスの高い商品、納得感のあるストーリーや理念など、価格以上の付加価値を示すことが求められる。海外旅行やブランド品、高級車といった高額消費への意欲は高いものの、そこには常に「価値への納得」が伴っている。
つまり、「スーパー・パワー・ファミリー」に代表される新たな富裕層は、消費を牽引す
る層であると同時に、スマートな消費者層としても注目に値する。彼らの消費行動は、今後の消費トレンドを読み解くうえでの先行指標となる可能性が高い。
5 久我尚子「パワーカップル世帯の動向-2024年で45万世帯に増加、うち7割は子のいるパワーファミリー」、ニッセイ基礎研究所、基礎研レポート(2025/03/24)など。
6 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計~前回推計(2021年)に比べ、世帯数は約11%、資産総額は約29%増加。「いつの間にか富裕層」など新たなトレンドも発生~(2025/02/13)など。
人数としては限られるものの、これらの層の消費への影響力は小さくない。高収入層ほど賃上げ幅が大きく、資産効果の恩恵も受けやすいという傾向が見られるためである。
こうした高所得層の消費は、量よりも質、モノよりも体験、価格よりも時間や快適さを重視する傾向がある。旅行やレジャー(体験型・ラグジュアリー分野を含む)、子どもの教育、家事代行や時短サービス、自己啓発・スキルアップ、投資などへの支出に積極的である。全体の消費額を押し上げる存在というよりも、「消費の方向性を示す層」として、2026年以降、より注目されるのではないだろうか。
重要なのは、この層を単に「お金を使う層」として捉えないことである。パワーカップルの中核は小中学生を子育て中のパワーファミリーであり、デフレ・デジタル化の進展の中で価値観を形成してきた世代である。そのため、「バンバン使う」ことが良しとされるのではなく、納得感や合理性、長期的価値を重視する傾向が強い。費用対効果を意識し、余剰分は投資に回すといった姿勢が特徴的である。
実際、パワーカップル・パワーファミリー(夫婦ともに年収700万円以上、世帯年収1,500万円規模)を分析したところ、この層の経済感覚は意外と堅実である。経済的余裕感では「やや余裕がある」が過半数を占める一方で、「余裕がない」と回答する層も2割台に上る。子育て世帯が多く、教育費や住居費の負担が大きいことに加え、家事代行などのサービス利用も影響していると考えられる。
また、消費や貯蓄・投資に関する考え方を見ると、「今を楽しむ」志向と「将来に備える」志向が併存している。支出配分の方針が明確であり、安くて便利なものは賢く利用し、余剰分は投資に回すといった姿勢が見られる。
こうした特徴を踏まえると、企業が当該層にアプローチする際には、単純に「高級品であれば響く」という発想では不十分である。生活の質を高めながら無駄のないサービス、時間を有効活用できる仕組み、長期的に見てコストパフォーマンスの高い商品、納得感のあるストーリーや理念など、価格以上の付加価値を示すことが求められる。海外旅行やブランド品、高級車といった高額消費への意欲は高いものの、そこには常に「価値への納得」が伴っている。
つまり、「スーパー・パワー・ファミリー」に代表される新たな富裕層は、消費を牽引す
る層であると同時に、スマートな消費者層としても注目に値する。彼らの消費行動は、今後の消費トレンドを読み解くうえでの先行指標となる可能性が高い。
5 久我尚子「パワーカップル世帯の動向-2024年で45万世帯に増加、うち7割は子のいるパワーファミリー」、ニッセイ基礎研究所、基礎研レポート(2025/03/24)など。
6 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計~前回推計(2021年)に比べ、世帯数は約11%、資産総額は約29%増加。「いつの間にか富裕層」など新たなトレンドも発生~(2025/02/13)など。
6――おわりに~2026年は「使い方」と「選び方」が軸となる年
2026年の個人消費は、緩やかな改善の中で、「どれだけ使うか」よりも、「どう使うか」「何を残し、何を手放すか」「どのように選ぶか」といった点に特徴づけられる年になると考えられる。
本稿で見てきたように、2026年の消費の特徴は、量の拡大ではなく、質の変化にある。
第一に、メリハリ消費は定着していくだろう。生活必需品では節約志向を土台とする一方で、娯楽や嗜好消費は維持され、余裕があるときには限定的に拡大する。これは、成熟した消費社会において物価高が数年続く中、消費者が「これ以上削ると生活の質が下がる部分」と、「削っても意外と困らなかった部分」を整理し、自分にとって必要な支出とそうでない支出を見極めてきた結果と言える。
第二に、AI時代の「選ばない消費」と言える選び方が広がっている。2025年は生成AIの利用や、AI・データ活用を土台としたサービスが日常の選択に入り込み、「自分で探す」から「提示されたものから選ぶ」「任せる」行動へのシフトが進んだ。ただし、消費者はすべての選択を任せるわけではない。ジャンルや場面によって「選ぶ・選ばない」を使い分ける姿勢が、消費行動として定着しつつある。
第三に、二次流通を前提としたモノの選び方の多様化である。家庭に眠る「かくれ資産」は全国で91兆円に達し、フリマアプリの普及によってモノの価値は可視化されるようになっている。消費者は、コストパフォーマンス重視、リセールバリュー重視、長く愛用するタイムレス志向、体験やストーリーへの共感といった複数の軸を行き来しながら、モノを選ぶようになっている。
こうした変化を通じて浮かび上がるのは、「スマートな消費者」の姿である。
高所得層である「スーパー・パワー・ファミリー」であっても、単に「多く使う」わけではない。納得感や合理性、長期的な価値を重視し、安くて便利なものは賢く取り入れ、余剰分は投資に回す。支出配分の方針が明確で、無駄を嫌う姿勢は、デフレとデジタル化の中で価値観を形成してきた世代に共通する特徴でもある。
企業にとって重要なのは、こうした消費者の変化を、「節約志向」や「高付加価値志向」といった単純なラベルで捉えないことである。2026年以降は、「売る」こと以上に、「どう選ばれるか」「どこを任せてもらえるか」が問われる。選ばせるのではなく、自然に信頼される存在であることが、差別化の軸となる。
2026年の消費を一言で表すなら、「使い方」が問われる年である。「どれだけ使うか」ではなく、「どう使うか」。「何を買うか」ではなく、「どう選び、どう手放すか」。「いくら持っているか」ではなく、「どう配分するか」。
消費は静かに推移しているが、その内側では、消費行動の質的な変化が着実に進んでいる。2026年は、そうした変化が、数字以上に意味を持つ年になるのではないだろうか。
本稿で見てきたように、2026年の消費の特徴は、量の拡大ではなく、質の変化にある。
第一に、メリハリ消費は定着していくだろう。生活必需品では節約志向を土台とする一方で、娯楽や嗜好消費は維持され、余裕があるときには限定的に拡大する。これは、成熟した消費社会において物価高が数年続く中、消費者が「これ以上削ると生活の質が下がる部分」と、「削っても意外と困らなかった部分」を整理し、自分にとって必要な支出とそうでない支出を見極めてきた結果と言える。
第二に、AI時代の「選ばない消費」と言える選び方が広がっている。2025年は生成AIの利用や、AI・データ活用を土台としたサービスが日常の選択に入り込み、「自分で探す」から「提示されたものから選ぶ」「任せる」行動へのシフトが進んだ。ただし、消費者はすべての選択を任せるわけではない。ジャンルや場面によって「選ぶ・選ばない」を使い分ける姿勢が、消費行動として定着しつつある。
第三に、二次流通を前提としたモノの選び方の多様化である。家庭に眠る「かくれ資産」は全国で91兆円に達し、フリマアプリの普及によってモノの価値は可視化されるようになっている。消費者は、コストパフォーマンス重視、リセールバリュー重視、長く愛用するタイムレス志向、体験やストーリーへの共感といった複数の軸を行き来しながら、モノを選ぶようになっている。
こうした変化を通じて浮かび上がるのは、「スマートな消費者」の姿である。
高所得層である「スーパー・パワー・ファミリー」であっても、単に「多く使う」わけではない。納得感や合理性、長期的な価値を重視し、安くて便利なものは賢く取り入れ、余剰分は投資に回す。支出配分の方針が明確で、無駄を嫌う姿勢は、デフレとデジタル化の中で価値観を形成してきた世代に共通する特徴でもある。
企業にとって重要なのは、こうした消費者の変化を、「節約志向」や「高付加価値志向」といった単純なラベルで捉えないことである。2026年以降は、「売る」こと以上に、「どう選ばれるか」「どこを任せてもらえるか」が問われる。選ばせるのではなく、自然に信頼される存在であることが、差別化の軸となる。
2026年の消費を一言で表すなら、「使い方」が問われる年である。「どれだけ使うか」ではなく、「どう使うか」。「何を買うか」ではなく、「どう選び、どう手放すか」。「いくら持っているか」ではなく、「どう配分するか」。
消費は静かに推移しているが、その内側では、消費行動の質的な変化が着実に進んでいる。2026年は、そうした変化が、数字以上に意味を持つ年になるのではないだろうか。
(2026年01月23日「基礎研レポート」)
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