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2026年01月09日

2026年の原油相場見通し~ベネズエラ攻撃で波乱のスタート

経済研究部   主席エコノミスト

上野 剛志 (うえの つよし)

研究・専門分野
金融・為替、日本経済

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■要旨
 
  1. 今年の原油相場を見通すうえでの主な注目材料としては、「OPECプラスによる減産縮小の行方」、「各種地政学リスクの行方」、「米国の原油生産動向」、「FRBによる利下げとドルの行方」が挙げられる。
     
  2. 原油価格の中心的な見通しとしては、今年も原油需給の緩和した状況が継続し、原油価格の低迷が続くと見込んでいる。まず、昨年のOPECプラスによる大幅な減産縮小などを受けて既に原油需給は緩和した状態にあるうえ、今年4月からはOPECプラスによる減産縮小の再開が予想される。また、米政府主導によるベネズエラの増産観測も原油需給緩和への思惑に繋がりやすいだろう。一方で、米原油生産が減少に転じること、FRBによる利下げが続けられること、ロシアとウクライナによる停戦の合意とその安定的な履行は見込みづらいことが原油価格を一定程度下支えすると見ている。原油の需要については、関税の影響緩和や主要国での財政拡張が追い風となる一方で、中国の景気低迷やEV普及によって抑制され、緩やかな需要増に留まるだろう。これらを総合的に勘案し、今年の予想レンジはWTI先物(期近物)ベースで1バレル48ドル~70ドル程度、年末の水準は現状からほぼ横ばいの50ドル台後半と予想している。
     
  3. メインシナリオに対するリスクバランスとしては、下振れリスクの方が高めと見ている。中間選挙を見据えて、停戦の実現と原油価格の押し下げという成果を急ぐトランプ大統領が、ウクライナへの圧力を強めることで、ロシア・ウクライナ間の停戦合意を強引に取りまとめる可能性が否定できないためだ。これに加え、技術向上を背景に米国の原油生産が増加を続ける可能性や、FRBの利下げが想定より遅れる可能性も、原油価格の下振れリスクとして挙げられる。

 
原油価格(WTIと東京ドバイ)
■目次

1.トピック:2026年の原油相場見通し
  (2025年の振り返り・・・下落率は約2割に到達)
  (2026年の注目材料)
  (中心的なシナリオとリスク)
2.日銀金融政策(12月)
  (日銀)利上げを決定
  (今後の予想)
3.金融市場(12月)の振り返りと予測表
  (10年国債利回り)
  (ドル円レート)
  (ユーロドルレート)

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2026年01月09日「Weekly エコノミスト・レター」)

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