2025年12月23日

サンタクロースの時給はいくらか-今日もまたエンタメの話でも。(第8話)

生活研究部   研究員

廣瀬 涼 (ひろせ りょう)

研究・専門分野
消費文化論、若者マーケティング、サブカルチャー

文字サイズ

■要旨
 
「あんたがニセモノなのはわかっている。……でもサンタに雇われているんでしょ?
 今年のクリスマスは、プレゼントはいらないから家族を返してほしい」

このセリフは、コメディ映画『ホーム・アローン(Home Alone)』で、主人公ケヴィンが泥棒たちと対峙する直前に訪れる「サンタの家」の場面で、雇われサンタに向けて語られる印象的な一言である。本作は2025年に公開35周年を迎える。こうした節目の年に、改めてこの“お気に入りの作品”を見返すことで、従来とは異なる視点からコラムを執筆できるのではないかと考えた。

ケヴィンの言葉が示すように、ホリデーシーズンのアメリカでは、ショッピングモールやイベント会場で雇われサンタに会うことができる。ショッピングモールで見かけることが多いことから、アメリカでは彼らを「モールサンタ」と呼ぶのが一般的だ。モールサンタの存在は、クリスマスシーズンの到来を視覚的かつ体験的に人々へ実感させ、消費者の高揚感を喚起する役割を担っている。その一方で彼らは、「夢」や「信仰」を演じながらも、明確に労働と報酬の関係に組み込まれた存在であり、きわめて資本主義的な象徴でもある。
 
人は幾らでサンタクロースになるのだろうか。
すなわち、雇われサンタとして祝祭を演じる労働は、どの程度の報酬によって支えられているのだろうか。 
 
本稿では、雇われサンタが祝祭の幻想を媒介すると同時に、資本主義社会における労働の制度化を体現する存在であるという二重性に焦点を当て、彼らの雇用形態や、それを取り巻く消費文化について考察していく。

■目次

1――今年のクリスマスは、プレゼントはいらないから家族を返してほしい
2――モールサンタ
3――雇われサンタの求人を見てみよう
4――クリスマスの社会学
5――クリスマスシーズン特有の振る舞い
6――雇われサンタの消費文化論
7――さいごに

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年12月23日「基礎研レター」)

Xでシェアする Facebookでシェアする

生活研究部   研究員

廣瀬 涼 (ひろせ りょう)

研究・専門分野
消費文化論、若者マーケティング、サブカルチャー

週間アクセスランキング

ピックアップ

【サンタクロースの時給はいくらか-今日もまたエンタメの話でも。(第8話)】【シンクタンク】ニッセイ基礎研究所は、保険・年金・社会保障、経済・金融・不動産、暮らし・高齢社会、経営・ビジネスなどの各専門領域の研究員を抱え、様々な情報提供を行っています。

サンタクロースの時給はいくらか-今日もまたエンタメの話でも。(第8話)のレポート Topへ