2025年12月23日

プレコンセプションケアから考えるライフコースアプローチ-胎生期・幼少期の初期ライフコースは成人期の健康に影響、「ライフコースアプローチ」を意識した健康づくりへ-

生活研究部   研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任

乾 愛 (いぬい めぐみ)

研究・専門分野
母子保健・不妊治療・月経随伴症状・プレコンセプションケア等

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■要旨

本稿では、プレコンセプションケアを展開するにあたり、社会疫学・公衆衛生学上、重要な概念であるDOHaD仮説やライフコースアプローチについて解説し、ライフコースアプローチの視点を交えたプレコンセプションケアの展開の意義について重要なポイントを整理した。

ライフコースアプローチとは、「胎生期、幼少期、思春期、青年期およびその後の成人期における物理的・社会的暴露による成人疾患リスクへの長期的影響に関する考え方」と定義され、この概念の基になった成人病胎児起源仮説(DOHaD仮説)では、胎児期から2歳児ごろまでの最初の1,000日間である「初期ライフコース」が成人期の健康状態に及ぼすと考えられている。

日本では、健康日本21(第3次)計画において「ライフコースアプローチ」を踏まえた健康づくりの推進が掲げられており、大阪府などの自治体でも小学生を対象とした生活習慣の簡易チェックツールの提供がされている。

女性のホルモン変動は月経周期やライフステージにおいて常に健康状態に影響を与えており、女性特有の健康課題や疾患発症リスクにも影響を与えている。プレコンセプションケアの視点からライフコースアプローチを考えると、前思春期から早期に教育を開始することや、妊娠希望がない場合にも疾患の発症リスクや体調に影響を及ぼすことを学び、性・思春期教育格差を考慮した上で、全世代を対象に展開する必要がある。

■目次

1――はじめに
2――ライフコースアプローチとは
  1|ライフコースアプローチ
  2|胎生期・幼少期の初期ライフコースは成人期の健康に影響
  3|日本のライフコースアプローチ方針
3――プレコンセプションケアから考えるライフコースアプローチ
  1|女性のホルモン変動とライフステージ
  2|女性特有の健康課題
  3|各ライフコースにおける保健(教育)介入のタイミング
4――おわりに

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年12月23日「基礎研レター」)

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生活研究部   研究員・ジェロントロジー推進室・ヘルスケアリサーチセンター 兼任

乾 愛 (いぬい めぐみ)

研究・専門分野
母子保健・不妊治療・月経随伴症状・プレコンセプションケア等

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