2025年12月19日

東南アジア経済の見通し~外需調整下、内需と政策対応が成長を分ける

経済研究部   准主任研究員

斉藤 誠 (さいとう まこと)

研究・専門分野
東南アジア経済、インド経済

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■要旨
 
  1. 東南アジア5カ国の経済は、成長の持続性が問われる局面に入っている。2025年7-9月期は、前倒し輸出が寄与したベトナム(前年同期比+8.2%)が高成長を維持し、インドネシア(同+5.0%)も安定成長を続けた。一方、フィリピン(同+4.0%)は内需減速が続き、マレーシア(同+5.2%)は内需主導で持ち直したが、タイ(同+1.2%)は政府支出の遅れや観光低迷で大きく減速した。
     
  2. 消費者物価上昇率は全体として低位安定が続いている。国別には、ベトナムとインドネシアでインフレ率が緩やかに上昇している一方、フィリピンとマレーシアは+1%台、タイは公共料金引き下げの影響でマイナス圏にある。先行きも、輸出減速や需要の過熱感の乏しさから、地域全体としてインフレ圧力は限定的にとどまる見通しである。
     
  3. 金融政策は緩和局面が一巡しつつも、慎重な利下げが続く見通しである。これまでにフィリピン、インドネシア、タイを中心に利下げが進んだが、足元では為替や資本フローへの配慮から、各国とも利下げペースは抑制されている。先行きは、2026年前半に一部の国で追加利下げが実施される可能性があるものの、緩和余地は限定的とみられる。
     
  4. 先行きは外需が調整局面に入る一方、内需が成長の下支え役を担う構図が明確になりつつある。米国の相互関税を巡る不確実性は一時期に比べ後退しているが、前倒し輸出の反動で外需は鈍化する見通しである。国別では、ベトナム、タイ、マレーシアは外需減速の影響を受けやすい一方、インドネシアとフィリピンは内需の下支えにより相対的に高めの成長を維持すると予想される。
東南アジア5 カ国の成長率とインフレ率の見通し
■目次

1.東南アジア経済の概況と見通し
  (経済概況:前倒し輸出で一時的に成長加速)
  (物価:緩やかな上昇も国ごとに差)
  (金融政策:利下げ局面は一巡しつつ慎重姿勢へ)
  (経済見通し:外需調整局面入り、内需と政策対応が成長の分岐点に)
2.各国経済の見通し
  2-1.マレーシア
  2-2.タイ
  2-3.インドネシア
  2-4.フィリピン
  2-5.ベトナム

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(2025年12月19日「Weekly エコノミスト・レター」)

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斉藤 誠 (さいとう まこと)

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東南アジア経済、インド経済

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