2025年12月19日

「内憂」強まる2026年の中国経済展望-中央経済工作会議から読み解く成長の行方と政策の焦点

経済研究部   主任研究員

三浦 祐介 (みうら ゆうすけ)

研究・専門分野
中国経済

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■要旨

2025年12月に開催された中央経済工作会議では、2026年の中国経済政策の基本方針が示された。外部環境については、米中首脳会談を経て米中摩擦はいったん緩和しており、25年のような関税合戦再燃による外需悪化リスクは低下したものの、中長期的な摩擦への警戒は維持されている。国内では、不動産不況の長期化を背景に、供給が強い一方で需要が弱いという需給矛盾が深刻化しており、内需下支えが引き続き政策の最重要課題とされた。需要面では投資・消費の下支えを継続し、供給面では過当競争是正に向けた「全国統一大市場」建設を進める方針が示された。ただし、財政・金融政策については大幅な拡張は示唆されず、資金配分の最適化を通じた下支えにとどまる見通しである。重点リスクとしては、不動産市場と地方政府債務の処理が挙げられ、景気の安定を維持しつつ、秩序だったリスク解消を進める姿勢が示された。2026年は、構造改革と成長維持の両立が強く問われる正念場となるだろう。

■目次

1――はじめに
:「内憂」が強まるなか、中央経済工作会議が開催され、26年の経済政策の方針を決定
2――「外部環境の変化による影響が深まっている」
~米中摩擦への対応は警戒を緩めずに継続。ただし、外需悪化のリスクは25年に比べて低下
3――「国内の供給が強い一方、需要が弱いという矛盾が突出している」~不安定な需給バランス
への問題意識は強まる。財政・金融の下支えを継続も、大幅な拡大は示唆されず
 1|需要面では投資・消費の下支えを継続、供給面では「全国統一大市場建設」の取り組みを推進
 2|財政政策の規模拡大は示唆されず。金融政策では物価上昇も考慮するよう強調
4――「重点領域のリスク要因が多い」
~リスク解消の取り組みは終盤に。景気の安定維持との両立が注目点に
5――おわりに
 1|メインシナリオ:不動産不況による経済への下押しを政策で下支えする展開が継続
 2|リスクシナリオ
  :構造改革に傾注すれば投資が悪化、成長率目標達成に傾注すればデフレ傾向が長期化
 3|26年は、過去の経済成長パターンからの決別に向けた正念場に

本資料記載のデータは各種の情報源から入手・加工したものであり、その正確性と完全性を保証するものではありません。
また、本資料は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。

(2025年12月19日「基礎研レター」)

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