2025年12月15日

ロシアGDP(2025年7-9月期)-前年比0.6%、前期比0.1%でいずれも低下

経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

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1.結果の概要:前年比伸び率は0.6%に低下

12月12日、ロシア連邦統計局は国内総生産(GDP)を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【実質GDP成長率(未季節調整系列)】
2025年7-9月期の前年同期比伸び率は0.6%、予想1(同0.6%)と一致、前期(同1.1%)から低下した(図表1・2)

(図表1)ロシアの実質GDP成長率(需要項目別寄与度)/(図表2)ロシアの実質GDP成長率(供給項目別寄与度)
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:成長率は足もとでは再加速の兆しも

ロシアの25年7-9月期の実質GDP伸び率は前年比0.6%となり、11月14日に公表されていた予備推計値(0.6%)と一致した。季節調整系列の前期比は0.1%(年率換算0.4%)で、7-9月期(前期比0.3%、年率換算1.1%)から減速した。戦争前(21年10-12月期)と比較した実質GDPの水準は6.4%だった。

執筆時点では需要別のデータは未公表であるため、以下では産業別のデータ等を確認していく。

産業別の伸び率は、前年比で第一次産業が3.0%(前期:0.8%)、第二次産業が0.7%(前期:1.8%)、第三次産業(金融・不動産)が1.4%(前期:3.9%)、第三次産業(その他)が1.2%(前期:0.9%)となった。前期比では第一次産業が0.1%(前期:2.0%)、第二次産業が0.7%(前期:0.8%)、第三次産業(金融・不動産)が▲1.1%(前期:0.7%)、第三次産業(その他)が0.7%(前期:0.5%)となった(図表4)。25年7-9月期は第一次産業が横ばい、第三次産業(金融・不動産)が下落、第二次産業、第三次産業(その他)が回復した。より細かい産業の伸び率では、金融(▲1.2%)、不動産(▲1.0%)がいずれも下落したほか、運搬(▲1.2%)もマイナス幅が大きかった。一方で、芸術・娯楽(10.0%)、飲食・居住(4.0%)は高い伸び率を記録している(図表3)。
(図表3)ロシアの実質GDP成長率(25年7-9月期)
(図表4)ロシアの実質GDPの動向(供給項目別)/(図表5)ロシアのインフレ率(前年比)
なお、ウクライナ侵攻前との比較では、戦争前までロシア経済のけん引役だった鉱業(▲5.6%)のほか、水道(▲7.5%)、小売・卸売サービス(▲5.4%)、医療サービス(▲5.1%)などがマイナス圏にとどまっている。一方、住居・飲食サービス(40.7%)、金融サービス(36.7%)、政府サービス(32.6%)、といった産業の活動水準が高い。
(図表6)ロシアの実質GDP成長率 25年7-9月期の名目成長率は前年同期比7.2%(前期:4.7%)だった。GDPデフレータ伸び率は前年同期比6.6%(同3.6%)と前期から上昇した(図表5)。この間、消費者物価指数は25年3月(前年比10.3%)から低下基調を続けており、直近11月は6.6%まで低下しており、総じてインフレ圧力は軽減している。ロシア中銀も25年6月の会合以降は段階的に政策金利を引き下げている。

直近までの動向を経済発展省が公表する月次のGDP成長率(前年比)から確認すると、25年7月以降は7月0.4%、8月0.4%、9月0.9%、10月1.6%となり、足もとにかけて改善が目立つ(図表6)。

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(2025年12月15日「経済・金融フラッシュ」)

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高山 武士 (たかやま たけし)

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