2025年12月05日

ブラジルGDP(2025年7-9月期)-個人消費の鈍化で減速基調が続く

経済研究部   主任研究員

高山 武士 (たかやま たけし)

研究・専門分野
欧州経済、世界経済

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1.結果の概要:前期比0.1%に減速、前年比も1.8%と2%割れ

12月4日、ブラジル地理統計院(IBGE)は国内総生産(GDP)を公表し、結果は以下の通りとなった。
 

【実質GDP成長率(2025年7-9月期)】
前年同期比伸び率(未季節調整値)は1.8%、市場予想1(1.7%)を上回り、前期(2.4%)から低下した(図表1・2)。
前期比伸び率(季節調整値)は0.1%、予想(0.2%)を下回り、前期(0.3%)から減速した。

(図表1)ブラジルの実質GDP成長率(需要項目別寄与度)/(図表2)ブラジルの実質GDP成長率(産業別寄与度)
 
1 bloomberg集計の中央値。以下の予想値も同様。

2.結果の詳細:個人消費の減速が目立つ

25年7-9月期の実質GDP伸び率は前期比0.1%(季節調整値、年率換算0.4%)となり、前期(前期比0.3%、年率換算1.3%)から減速した。コロナ禍前(19年10-12月期)比では13.2%だった(図表4・5)。また、成長のトレンドが掴みやすい前年比では1.8%と、4-6月期(2.4%)から伸び率が低下、潜在成長率と見られる2%台半ばを下回り、趨勢的に成長率の鈍化が続いている(図表1)。

成長率(前期比)を需要項目別に見ると、個人消費が0.1%(前期:0.6%)、政府消費が1.3%(前期:▲0.0%)、投資が0.9%(前期:▲1.5%)、輸出が3.3%(前期:1.0%)、輸入が0.3%(前期:▲2.4%)となった。7-9月期は投資と輸出は持ち直したが、個人消費が大きく減速している。高インフレの長期化の悪影響が生じている可能性がある。

コロナ禍前との対比では、個人消費が11.9%、政府消費が11.3%、投資が23.8%、輸出が27.2%、輸入が26.2%だった(図表4)。
(図表3)業種別のGDP伸び率
(図表4)ブラジルの実質GDPの動向(需要項目別)/(図表5)ブラジルの実質GDPの動向(供給項目別)
産業分類別に実質GDPの伸び率を見ると(図表3・5)、第一次産業は前期比0.4%(前期:▲1.4%)、第二次産業は同0.8%(前期:0.6%)、第三次産業は同0.1%(前期:0.3%)だった。第一次産業は前期に大幅に伸びた後、高水準を維持している(図表5)。第二次産業はやや加速、第三次産業はやや減速となった。

より細かい業種では、第二次産業の製造業(前期比0.3%)、建設業(同1.3%)が、いずれも2四半期連続マイナス成長からプラスに転じた(図表3)。一方、第三次産業で比較的ウエイトの大きい金融業(同▲1.0%)がマイナス成長だった。
(図表6)ブラジルの輸出入物価と交易利得 7-9月期の名目成長率は前年同期比7.3%(前期:9.0%)に低下した。名目と実質成長率の差(デフレータに相当)は5.5%(前期:6.7%)とやや低下したが高めの水準が維持されている。なお、消費者物価指数(IPCA)上昇率も低下基調にはあるものの、10月まで13か月連続で目標(3.0±1.5%)の上限を超過しており、中銀も政策金利を高水準(15%)で維持している。

輸出デフレータと輸入デフレータはいずれも前年比で伸び率が低下、輸入物価の伸びが輸出物価を上回ったため、交易条件の悪化が続いている(図表6)。

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(2025年12月05日「経済・金融フラッシュ」)

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高山 武士 (たかやま たけし)

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